転職フェアとは?
転職フェアとは、企業と求職者のお見合いの場みたいなもので、書類選考や面接とは一歩手前の段階で、面談に近い気もしますが、それよりもライトな感覚で気軽に参加できます。
また、出展企業が複数はあるので、一度転職フェアに参加するだけで、複数の情報を手に入れることができる、非常に労力コスパの高いイベントが転職フェアです。
転職フェアは、出展企業側の出店料で運営されますので求職者側は無料で参加できます。事前申込みをしておくと、Amazon500円券がもらえるなどのキャンペーンもあるので、ここはもれなくいただいておきましょう。
採用担当者として参加した時の話し
ぼくは求職者としても、企業側の採用担当者としてでも、転職フェアに参加した経験があります。なので両方の視点で語れるのですが、今回は企業側の採用担当者として転職フェアに参加した時の話しをします。
開催時期によって多少のばらつきはありますが、1日に企業のブースにやってくる求職者は100人近くいます。ただし、実際に職務経歴書をもとに面談出来るのは、だいたい60人位です。
その60人のうち採用されるのは1、2名です。こう聞くとかなりの狭き門な気がしますが、それには事情があって、面談としてまともにコミュニケーションできる求職者がとても少ないのです。
声が小さい、目を合わせない、挙動がおかしい、今いる会社の悪口をひたすら言う。などなど、仕事以前に社会人としての最低ラインをクリアしていない方達が半数います。実は、こういう人たちは毎回転職フェアに参加していて、よくお会いします(笑)。自分を積極的にアピールすることもなく、運良く企業側から声をかけてもらうのを待っているだけなのです。一言で言うと自主性の無い受身型人材なのです。
これでは、エンジニア云々以前の問題です。今いる会社を辞めて、全く新しい会社でキャリアを再スタートさせるわけですから、既にいる社員に追いつかなければ行けない立場です。そんな人間が受身であっては、成功するわけがありません。企業は高いコストを払って採用するわけですから、失敗するのがわかっている人を採用出来ないのです。もし採用する企業があるとすれば、それはブラック企業ですね。ブラック企業は誰でも来てくれたら収益あげれるので、受身人間だろうかウエルカムです。
ここまでをおさらいすると、受身タイプの人間は、不採用を連発するか、ブラック企業に入社するかの二者択一となります。要するに、転職を成功させたければ、まず自主性のある能動型の人材になることです。能動型人材アピールが出来るだけで勝率が一気に上がります。60人中6人程度です。毎回1割り程度の方たちがスキルマッチのステージへ進みます。
要するに、転職フェアに求職者がたくさんいたとしても、相手の目を見てはきはきと積極的に会話をしていれば、それだけで勝者側の10%に残れます。第2新卒や25歳前後であれば、エンジニアとは無縁の異業種からの人材であっても採用されています。実際に何人か採用に関わってきました。それほどまでに、自主性のある能動型人材は希少であり、市場に求められています。そしてそれは、頑張れば誰でも能動型人間に変わることが出来るし、少し訓練すれば演じることさえできます。とりあえずは、自主性のある人材が求められているという点だけは抑えておいてください。
内定通知をもらう人の共通点
転職フェアに何度か出展していると、最終的に内定通知をもらう人の共通点がわかります。それは、きちんと事前準備をしていることです。毎回だいたい1名位は、面談の際に弊社(ぼくの会社)の調査をしています。HPで調べてきたレベルなのですが、会社の歴史や社長の名前もきちんと調査をしてくれていて、積極的にその話題を振ってきます。採用担当の我々も点数稼ぎなのは分かっていても嬉しいものです。いや、めちゃくちゃ嬉しいのです。なぜならば、そういう調査をきちんとしてきてくれる方は、毎回1名程度だからです。
まともに会話できる段階で9割りふるい落とされて、事前に会社について調べてきてくれている人は、たったの1名。転職フェアでは多くの人であふれかえっていますが、統計的にまとめますとそういう世界です。めちゃくちゃレベル低いですが、それが現状です。それなりにスキルのあるまともな人は、それだけで合格レベルなのです。
そしてもう一つ共通点があって、その1名は必ず転職フェア開始早々にやってきます。転職フェアは大体10時から17時までやってますが、最初の1時間で決着がつくケースがおおいです。
職種は1本に絞ろう
今度は逆に、企業側が敬遠する人の特徴を言います。まず見た目が不潔、だらしないのはNGです。これは常識なのでここでは詳細は割愛します。もう一つ重要な点があって、それは求職者が首にぶら下げているストラップの色です。または名札の色(マーク)です。(転職フェアを主催する企業によってルールが違うので)
どういうことかというと、エンジニアに特化した転職フェアならともかく、だいたいは色々な職種ごちゃまぜで開催されます。営業職や飲食店、組み込み式エンジニアやシステムエンジニアなど多岐にわたります。そして会場では職種によってストラップの色が決まっています。営業職希望者は赤ストラップで、SEは青ストラップといった感じの分け方です。そしてそれらのストラップは求職者の希望する分だけぶら下げることが出来るのですが、職探しに必死な求職者は色々な種類のストラップをたくさんぶら下げるのです。
これは完全にNGです。
「なんでもいいから職を探しています」という求職者のメッセージは、「何もできないから何とかしてください」と企業側は受け取ってしまいます。もちろんNG行動です。ぼくの経験上、複数ストラップをぶら下げて採用された人は、ぼくの会社にはいません。
エンジニア経験者とか未経験者とか関係なくて、目指すべき職種は1本に絞るべきです。それはエンジニア職であっても営業職であっても同じことです。
転職フェアは一次面接(戦いは始まっている)
企業側からみれば、転職フェアは一次面接の場だと認識しています。もちろんざっくばらんに話し合うお見合いの場ではあるのですが、かなりの確度で求職者を品定めをしています。一方求職者の認識は様々で、面接位の緊張感で挑む人もいれば、色んな会社の情報収集の場との認識の方もいます。もちろんどれも正解です。というか、面接の場ではなくて情報収集の場であるべきだとぼくは思います。ですが企業側も必死ですので、少しでも品定めをしておきたくて、結果的に一次面接との認識になってしまうのです。
であれば、面接の感じで接することなく、少しでも情報収集するにはどうすればよいのでしょうか?答えはシンプルで、「今回は色々な企業の情報を収集させて下さい」と冒頭でいえばそれでOK。それだけで好印象です。企業側もざっくばらんになんでも話をしてくれます。ここでも能動的な行動が評価されるのです。相手の気ばかり使わずに、自分本位で積極的に活動をしてください。そのほうが評価されます。
企業の認識を逆手にとれば、転職フェアで仮の内定がもらえる確率も高まります。じつはこれって凄く有利なことで、企業に出向いて一次面接するよりも、転職フェアで一次面接を済ませる分とでは、通過の難易度が転職フェアの方が断然楽です。
企業での採用面接は、採用担当者にとってはホームグラウンドで、求職者にとってはアウェーです。しかも一次面接という肩書で面接を開催する以上、尋常ではない緊張感が走ります。一方、転職フェアは採用担当にとってもアウェーだし、なにより周りががやがやしてるので、緊張感は薄れます。そもそも面接する気で挑んでくる求職者はいないので、きりっとした姿勢で挑むと、その積極性が評価され、その時点で有利に働きます。なぜだかわかりませんが、企業側としては、自分たちの会社に敬意を示してくれた求職者の方に、感謝と敬意をお返ししたくなってしまうのです。これが自分の会社で行う一次面接を行うとなるとそうはいきません。会社で仕事中に時間を割いて面接に挑むので、採用担当者もガードが固くなっているし、やはりハードルは高いです。平等という観点ではあってはならない差ですが、面接官も人間なのでやはりそういった差は生まれます。
もう一つ裏話をすると、企業側にも採用の予算があって、転職フェア出展にもかなりの予算をつぎ込みます。そこで採用者が0だと次回の予算取りが出来にくくなるので、転職フェア1回の開催に付き、最低でも一人は採用したという実績を残しておいて、次につなげたい魂胆もあります。求職者が企業へ直接出向いた面接は大したコストが発生していないので、品定めの視線も厳しくなりやすい傾向はあります。
転職に興味なくても、一度は転職フェアに参加すべき
色々と書き綴りましたが、今は転職する気はなくても、一度は転職フェアには参加すべきだと思います。企業の情報が収集出来るだけではなくて、転職市場の活発具合や、求められるニーズの調査もできるし、ライバルたちの動向も把握することが出来ます。そして何より、今いる自分の会社で頑張ることだけが人生の選択肢ではないのだと気づけることが一番のメリットだと思います。転職フェアに参加したからといって転職をしないといけないわけでもないですし、企業側からしつこい勧誘メールはありません。多くても1回きりです。ぼくの経験上、2回、3回とメールをもらったことはありません。この辺りはあまり気にせず積極的な姿勢で、転職フェアに参加すれば、どう転んでも悪いほうにはなりません。
まとめ
転職成功率を飛躍的に高める転職フェア攻略法とは、「事前準備がものを言う」
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