【保存版】転職、出世に役立つIT資格とは?

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IT業界の資格状況

IT業界にはたくさんの資格があります。資格を取ると転職に有利になるものや、昇進試験の条件になるものもあります。一方で、時間的にも金銭的にも取得コストがかかるばかりの、燃費効率の悪い資格もあります。

今回は、取得コスパの良い資格にこだわって紹介します。

その前に、IT資格全般の評価についてお伝えしておきます。巷では「IT資格は取得しても意味がない。」「業務では活用できない」などと言う声をよく聞くと思います。はたしてそれは、どこまで真実なのでしょうか?

結論から言うと、どの資格にもそれなりの価値はあります。

取得しても全く意味がない資格というのものはありません。

IT資格は不要と言われてわれてしまう、3つの要因

業務独占資格がない

ではなぜ、IT資格は取得しても意味がないなどと言われるのでしょうか?

その根本的な原因として、すべてのIT資格には「業務独占権」が無い為です。

業務独占資格とは、名前の通り、資格を取得したらその業務を独占出来る権利を保有できる資格の事です。例えば、医師免許や弁護士、会計士、税理士がそれらに該当します。それらの職業は、資格が無いと業務を執行することが出来ません。手厚く法律に守られているのです。サービス提供の品質を一定水準以上に維持し続ける為には必要な措置だと思います。

一方IT業界には、業務独占出来る資格が存在しません。プログラミングや設計書を書くのにも必要な資格は存在しません。建築設計は資格が必要ですが、システム設計は無資格で出来るのです。そのことがIT業界で資格を取得しても意味がないと言われる根本理由の1つです。

現場と採用担当者のミスマッチ

2つ目の理由が、現場と採用担当者のミスマッチです。この二者は同じ会社に所属していながら部署が異なるケースがあります。

現場は資格ホルダーよりも、きちんと業務を遂行できる即戦力を求めます。しかし採用担当者は履歴書で判断するので、どうしても資格欄に目が行くのです。また、採用した人間が無資格で使い物にならなかったら、採用した自分自身の評価が下がるので、少しでも安全な方を選択しがちです。この行動が、現場と採用担当者とのミスマッチとなり、IT業界に資格不要論の元凶となっています。

先輩社員たちの単なる言い訳

3つ目の理由が、資格をとらない先輩社員たちの言い訳です。資格取得にはエネルギーが必要です。夜遅くまで働いた後に資格取得の勉強する気にもなれないし、せっかくの休みを勉強に充てるのももったいないとの考えのまま何年も経過していくうちに、資格をとらない自分を正当化し始めます。そして年月だけは経過しているのでそれなりに仕事が出来るようになっていて、資格無くても仕事に困らない。だから資格取得は意味がない。という超短絡的な発想が根付いています。そしてこの思考の良くないところは伝染することです。なぜならば、この発想自体がかなり甘い誘惑だからです。

資格を取らない位の感染ならまだよいですが、だんだん症状がひどくなると、出世や転職さえもあきらめる不幸せなサラリーマン生活を送ることになります。なので資格不要論の甘い考えに流されることなく、資格は取っておいて損はないものなのだと認識しておいてください。

ここまでをおさらいすると、採用時には採用担当者のフィルタを通らない限り、採用される事はないので、資格取得は必ず必要なものとなります。そして昇進にも昇給にもつながるので、資格は必ず取得しましょう。

取得コスパの良い資格の条件

ただ闇雲にIT資格を受験すればよいわけではありません。IT業界には取得に労力やコストがかかる割には評価が低く元が取れない資格もたくさんあるからです。

そこで意識しておいてほしいのが、「取得コスパの意識」です。世の中全てに「費用対効果」という考え方が適用されますが、IT資格も例外ではありません。

コスパの悪いIT資格が多いのもIT業界の悪いところです。ここで言うコスパとは、金銭面だけではありません。取得にかかる時間や労力もコストに含まれます。

コスパの良い条件とは、

1.取得コストを無視できるくらい権威のある資格

2.少ないコストでそこそこの権威のある資格

のどちらかになります。

3.取得コストが高い割には大した権威もなく評価されない資格

4.取得コストも権威もともに低い資格

この2つは手を出してはいけません。見極める眼力がいります。

順に説明すると、

取得コストを無視できるくらい権威のある資格

ずばり国家資格です。IPAの情報処理試験はどれでも構いません。自分のレベルにあった資格を取得してください。一番初級のITパスポートでさえそれなりの権威を持っています。もちろん年齢とレベルは比例しますが、40歳だからITパスポート取得は恥ずかしいとか、そんなことは一切ありません。チャレンジ精神はいつ何時でも美しいものなのです。

ちなみに、IPAの情報処理試験は5700円で受験でき、合格すれば終身保障されます。金銭的なコスパは抜群です。ただ難易度はそれなりに高いのと、年に1回もしくは2回しかないので、取得難易度は高めです。まぁ権威は折り紙付きなので、取得して損をすることはないです。

少ないコストでそこそこの権威のある資格

有名な民間資格がこれに当たります。具体的にはオラクルマスターやCCNA、PMPなどが該当します。これらの資格は金銭的なコストは高めです。難易度はそれなりです。情報処理試験に比べると範囲は狭いし、業務で使っていれば割と簡単にとれます。総合的なコストは少なくて済みますが、有名ベンダーが保障しているため権威は高めです。受験費用は会社が負担してくれるところも多いので、そういう補助システムがあるのならぜひ活用しましょう。

取得コスパの悪い資格の条件

取得コストが高い割には大した権威もなく評価されない資格

あえて名前は言いませんが、受験の前に、何時間か受講させ、さらに高い受験費用を取る割には、あまり評価されない資格も存在しています。何時間も強制的に受講する必要があるため、時間コストもかかりますし、受講費も支払わないといけないので、それだけでうん十万かかったりもします。その割に、資格を取得しても仕事が増えるわけでもなく、会社にも世間にも特別評価されることのない資格があります。

資格の名前が横文字で響きがかっこよいものや、歴史の浅いベンダーとかには注意してください。取得が無駄とはいいませんが、かなりコスパ悪いです。

取得コストも権威もともに低い資格

だれでもが簡単に取得でき、それが周知されているため価値がない資格があります。詳細は割愛しますが、IT業界初心者や未経験者がこの辺りのコレクターになったりします。このレベルの資格を10個とっても何も誇れないので追いかけるのはやめましょう。

というわけで、国家資格と有名ベンダー資格のみに焦点をあてて、資格取得戦略を考えう必要があります。

事実上の業務独占権になりつつある資格もある

冒頭で、IT資格には業務独占権がないと話しましたが、実はそうでもないケースもあります。

例えば、官公庁から仕事を受注する際、〇人月以上の仕事はPM資格保持者〇名いないと入札出来ないルールがあります。この規定は、事実上の業務独占権といえます。官公庁からの仕事は大口でお金を取りっぱぐれる事もありませんから、大手企業はこぞって奪い合いをします。そんな時に、資格ホルダーがいなければ入札出来ずに、みすみすライバルに持っていかれます。そしてこれらの規定に設けられている資格の多くは、IPA情報処理試験、いわゆる国家資格なのです。

国家資格IPA情報処理試験 狙い目の資格

駆け出しのITエンジニア、または未経験者が労力的なコスパの視点から狙い目な資格は、

ずばり「応用技術者試験」です。

なぜならば、実務経験や専門知識がないと解くことが出来ないITスキルを問う問題をうまく回避する方法があるからです。

通常はレベル1のITパスポートを取得して、その次にレベル2の基本情報試験とステップアップするのが普通ですが、レベル3の応用技術者試験にたどり着くまでの時間的コストがかかりすぎます。ITパスポートこそ好きな時に受験できますが、基本情報と応用技術は半年に1回しかチャンスがありません。どうしても1年半から2年はかかります。

そしてもう一つ頭を悩ませるのが、計算問題です。2進数やら8進数、16進数や2の補数などの計算は拒否反応を起こす人は多いと思います。労力の割には仕事で使うことはないし、応用技術以降は出題されません。また、ディスクの待ち時間や稼働率の問題も、クラウド主流のこのご時世に時代遅れな問題もガンガン出題されますが、応用技術試験以降は登場しなくなります。

ならば、そのプロセスを一気に飛ばして、いきなり「応用技術者試験」に挑もうというのがぼくの見解です。実務的な観点からいうとマイナスですが、じつはこの方法プログラミングテストもパスできます。プログラミング能力を問われるのは基本情報処理試験のみで、応用技術者試験以降は出題されません。応用技術者試験は問題の選択式なので、プログラミングやアルゴリズムの問題を選択しなければ回避できる裏技もあります。

応用技術者試験は12問中6問選択する形式なので、逆に言うと苦手な6問から逃げることができます。プログラミングやアルゴリズム、データベース、ネットワークなど実務で必要なテクニカル問題を回避し、プロジェクトマネジメントやストラテジーやセキュリティなど単語を覚えたりパターンを覚えれば楽に点を稼げる問題に集中して挑めば、意外と楽に取得できます。

もちろん簡単な資格ではありません。未経験者が応用技術者試験に合格するために必要な時間は、500時間です。毎日2時間やって9か月はかかります。しかし、それだけの価値はある資格です。確実に転職には有利に働くし、昇進の条件になっている会社もあります。IT業界では基本情報処理試験レベルは20代までしか通用しませんが、応用技術者試験は終身通用します。40代でも恥ずかしくありません。一度頑張って取得すれば一生使えるのは最高のコスパですね。

さらに高レベルな狙い目資格とは

すばり、「ITストラテジスト」です。

この資格はIPA情報処理試験の最高峰であり、IT業界の頂点に君臨する究極の資格です。周りに取得している人はほとんどいません。同じレベル4にはプロジェクトマネージャもありますが、それよりもさらに上位ランクの位置づけです。

なのですが、この資格は狙い目なんです。最難関である午後1の論述試験と午後2の論文試験があるのですが、なんとIT知識がなくても解けてしまうのです。午後1の論述試験、誤解を恐れずに言うと、「現代国語」です。出題されている問題をよく読み、問題内に書いてある文章から答えを抜き出したり、文章に答えがないものも、お約束のパターンがあるので、繰り返し過去問を解いていけば意外と乗り切れます。

午後2の論文試験も「現代国語」です。論文と聞くと凄く壁が高く感じますが、コツをつかめば割といけます。お題をきちんと読み、一つ一つ正解となるキーワードを探したら、あとは論文フォーマットに正解キーワードをちりばめながら、規定文字数を書き上げればクリアです。

私は~と考えた。なぜならば~だからである。しかし懸念点もあった。その点に関して~で回避した。

こんな感じのモジュールを複数準備しておいて、問題に合わせて組み立てればクリアできるので、ITスキルよりも「現代国語」能力が求められるという不思議な資格なのです。

いきなり「応用技術者試験」を取得し、次のステップで「ITストラテジスト」を目指す。資格の権威と取得コスパだけを突き詰めれば、このロードマップは狙い目です。

転職にも昇進にも資格があれば有利になります。IT資格不要論の甘い誘惑に流されることなく、自分を律して資格取得に挑んでください。がんばれば必ず報われるようになっていますので。

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