転職がイージーな理由
時間的なリミットが無い転職市場
新卒市場と比べて転職市場が圧倒的に有利な点は、時間的なリミットが無い事です。新卒は学校卒業する年の4月入社と、絶対に変わる事の無いルールが決まっているので、多くの新卒社会人はリミットを気にしながら妥協をしています。なぜならば、4月入社に間に合わなければ就職浪人という最悪な事態になるからです。要するに新卒市場は時間的なリミットが決まっているので、限られたルールの中で活動をするしかありません。
一方転職市場はというと、極端な話定年まで時間的なゆとりがあります。働きながら転職活動をすれば、新卒採用の時の様に、焦って妥協する事もなく、自分の条件にあった会社を自分のペースで探すことが出来ます。このアドバンテージは転職採用者しか味わうことが出来ません。
実は思い通りに新卒採用が思い通りに行かないのは企業も同じで、同時に大量の学生達を奪い合うわけですから、うまく行かない企業もあるわけです。特に学生達はまだ世間を知らないので、CMをやるようなBtoC企業ばかりに人気が集まって、優良なBtoB企業には見向きもしないケースが目立ちます。ある程度社会人経験を積まないと見えてこない優良企業があるわけですが、企業の方も中途採用で挽回すると決め込んでいる会社もあります。
一つ言い忘れていましたが、転職市場はゆとりある時間を武器にゆっくりと企業攻略できる点が最大のメリットです。その為には、在職中の転職活動が肝となります。現職を逃げるように辞めてしまい、貯金を切り崩しながらの転職活動は、おのずと時間的なリミットが決まっているようなものです。こうなると転職活動は運次第になるので勝率は下がります。ぼくは最初の転職がこのパターンで失敗しました。転職活動は在職中に行うのが鉄則となります。
新卒市場よりもライバルが少ない?
30%、この数字が意味するものか分かりますか?
答えは、20代のサラリーマンが転職する割合です。
全てのサラリーマンは新卒採用から始まります。そしてその新卒採用枠を毎年ほぼ同時に全員が争うわけですが、20代の中途採用は、3人に1人程度しか活動をしていないことになります。簡単にいうと新卒市場よりもライバルが少ないと言えます。ライバルが少ないうえに時間的なゆとりもある状態ですから、統計上は、転職した方が良い企業を捕まえやすいと言えます。
ちなみに、企業の中途採用比率はというと、まだ詳細なデータが無いのが現状です。2021年3月から、大企業で中途採用比率の公表義務化が始まりますので、その時までは正確な数字はつかめませんが、今後中途採用枠を増やすのは国の政策なので、中途比率は確実に上昇します。したがって現時点よりも、転職市場が賑わう事は間違いありません。
すでにIT業界では中途採用比率が高くて、日本オラクルの中途採用比率は、なんと97.7%あります。ヤフーは73.9%で楽天が63%とIT企業は軒並み高めです。個人的なぼくの感覚でも、IT企業の中途採用比率は高いと感じていて、少なくともIT業界全体で、中途採用比率が30%を下回る事はないと思っています。(正確な数字は2021年3月以降でないと分からない)
中途採用者は全ての条件を満たす必要がない?
人材を採用する企業にはそれぞれ入社する為の条件があります。新卒採用には新卒採用の合格基準があって、中途採用にはそれぞれの年齢やポジションに応じた合格基準があります。その合格基準についてですが、どこの企業も新卒採用の基準の方が厳しいのです。個人的には、新卒の基準はかなり厳しめだと思ってます。
例えば、TOEIC600以上必須と条件にあれば、595点の学生は自動的に不合格となります。企業によるところもあるとは思いますが、基本的には不合格です。ぼくの在職した企業も新卒の足切りはシビアでした。一方中途採用はかなり緩めで、TOEIC500点でも他の能力が認められれば通過します。事実ぼくがそのパターンです。英語の基準に未達でしたが内定もらえました。中途採用の話です。
新卒採用は同時に大量の学生を審査する必要があるので、やはり足切りは必要なのだと思います。事実ぼくが在職した一部上場企業は、新卒採用試験には大量の学生が受けに来ていました。ぼくが中途採用者だっただけに、その光景にとても驚きました。限られた人事部の人員で全てを見るのは不可能だと素人のぼくでも分かりました。
他にも、年齢や学歴の条件も、中途採用は緩めです。最近では「年齢は35歳まで」というあからさまな年齢制限は、行政指導の対象となりうるので、そういった表記は減ってきましたが、そんな時代においても40歳で採用されたりと、交通標識のスピード制限くらい適当な制限です。学歴も同様です。大卒以上と明記してあっても、最終学歴が高卒や専門卒の方が続々入社してきます。
じつはこれらには、大きく2つの理由があります。
中途採用の難易度が低い2つの理由
条件厳しすぎると集まらない
そもそも3人に1人くらいしか転職市場に現れませんので、条件厳しすぎると対象者がゼロになりかねないのです。また、中途採用枠は即戦力を期待していますので、年齢やら学歴とかは、戦力を測る条件には成り得ないわけです。新卒は何の実績もないのでポテンシャル勝負になりますが、中途は実績で評価できます。そういった理由から、中途採用の採用条件が緩めなのです。超有名企業ならば応募が殺到するので、条件を緩めなくても応募者が勝手に集まってきますが、超有名企業以外の一般企業は、応募者を集めるのに苦労をしているのが現実です。
ぼくは企業側の採用者として実際に応募者の検討をしたのでわかったのですが、企業側は求人に対して複数条件を持っています。絶対に外せない必須条件や、あれば嬉しい歓迎条件などがあります。しかし、実際は全ての必須条件を満たしている求職者にはめったに出会えません。稀に面談のステージまで行っても、別の企業に取られたりします。しがたって企業側もある程度妥協をしないと、高い求人広告費だけを払い続けることになります。
結局のところ転職で活躍できるかどうかは、「環境の変化を恐れず、積極的にコミュニケーションが取れる人材」です。これは書類では分かりません。面接をやらないと分からない事なので、条件を厳しくしてふるいにかけるのではなく、まずは会って話してみたいのが企業側の本音です。
対外向けのアピール
2点目の理由は、対外向けのアピールです。求人情報を転職希望者だけが見てくれれば、全く問題ないのですが、見ようと思えば誰でも大勢の人が求人情報を見れてしまいます。ということは、ライバルやクライアントにも求人情報を晒すわけなので、外向けの顔も必要なのです。例えばインターナショナルで活躍している企業の場合ですと、TOEIC700とか書いてあると、それだけで敷居が高い感じがします。ブランディングとしては成功です。実際は500点台でもバンバン採用していたとしても、その実態は外からは見えません。こういう対外向けのアピールの為の記載であって、本当の条件としてはカウントされないケースが多いわけです。
転職エージェントを味方にできる
転職エージェントは転職のプロです。情報量もスキルもコネクションも、素人では太刀打ちできません。その転職エージェントを味方につけることが出来る点は、新卒と大きく違います。新卒は必ず自分で一から全部頑張る必要があります。ぼくが社会人になった時代は、超氷河期でしたので、今思い出しても吐き気がするほど大変だったのを思い出します。
もし新卒でも転職エージェントがサポートしてくれて、関連の雑務全てを引き受けてくれるとしたら、ストレスは半減すると思います。転職エージェントを活用できる選択肢があるだけでも、新卒よりも転職の方がイージーだと言えます。
面接の日程調整や、面接交通費の請求、年収やポジションまで交渉してくれます。エージェントのコネクションにもよりますが、エージェントを通した方が、書類選考の通過率はあがります。今は転職を意識していないとしても、複数のエージェントに登録をしておいて、少しずつでも関係を温めておけば、いざという時に心強い戦力になります。転職エージェントを活用したことが無いのであれば、一度活用してみて体験してみましょう。
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