限界突破に必要な環境を変える勇気

処世術 コラム

一つの組織で長いこと働いていると、良くも悪くも人間関係が停滞してしまいまい、人事評価に悪影響を及ぼすことがあります。純粋なスキルや会社への貢献度だけで評価されるならば良いのですが、そうでないケースもあります。たとえば、会議中に積極的に意見を言えない人がいます。それは持って生まれた性格であって、会社への貢献度とは直接関係ありませんが、評価に差が生じることがあります。

他にも、自分のペースでゆっくり着実に仕事をこなしていきたいタイプの人は、ペースをかき乱す同僚が近くにいるだけで能力が活かしきれなくなります。場に飲み込まれる事で本来の力が発揮できずに、結果的に評価を下げてしまうわけです。不可抗力とはいえ一度貼られたレッテルははがれないので、良い仕事が回ってこず、面白くない作業ばかりやらされ、成長速度が鈍化します。

流動性の低い組織の中でこうなってしまっては、打破するのは至難の業です。したがって、思い切って環境を変えることが将来の自分にとって良い選択になります。たとえば、純粋にアウトプット成果を評価してくれる会社に転職したり、100%在宅ワークを推奨する会社に転職することで、自分のペースをかき乱す同僚を遠ざけ、本来の自分の力を発揮出来る環境に作り変えることが出来ます。また転職とまでとはいかなくても、部署異動やキャリアチェンジで環境を変えることも出来ます。社内SEの場合ならば、業務部門のシステム担当という受け皿も狙い目かもしれません。

つい先日、澤村選手がメジャーリーガーになりました。超名門チームへの入団を決めたわけですが、昨年の夏頃には巨人の3軍でくすぶっていた選手です。昨シーズン終盤にトレードでロッテに移籍し、登板したわずかな試合で圧倒的な結果を出したことで事態が好転したわけですが、環境を変えたことによる成功例となりました。自ら志願したトレードなのか、球団から打診があったのかまでは分かりませんが、あのトレードがなければ、メジャーリーガーにはなれていなかったように思います。見事に限界突破をやり遂げたわけです。

日本の企業の悪い文化として、長く居座っている人が場を牛耳る傾向があります。ようするに年長者が政治力が利かせやすいわけですが、そのことが必ずしも会社の利益になるとは限らないし、若いエンジニアに追い風になるとは限りません。残念ながら、長年醸成されてきた企業や業界の文化はそう簡単には変わりません。だからといってその環境の中で諦めたり腐ったりするのはあまりにももったいないと思うのです。その環境が合わなければ、自ら環境を変える勇気が必要です。

ただし、環境の変化についていくためには実力が必要です。どう転んでも、新しい環境で戦い抜くだけの実力が必要なのです。先の例であげた澤村選手の話ですが、昨年3軍でくすぶっていた頃から、メジャーリーガーになれるだけの実力は持っていたのだと思います。まずは自分なりに出来る範囲で実力をつけた上で、今いる環境でご自身の実力が発揮できないと感じたのならば、積極的に環境を変えていくことが必要です。環境を変えるだけの勇気と実力が備わった時にはじめて、限界突破出来るのだと思います。

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