ITコンサルタントの必要スキル

処世術 コンサルタント

ITコンサルタントになりたいと思ったのであれば、これ以上ITスキルを伸ばす必要はありません。もちろんITが分からないようではお話になりませんが、スペシャリストになる必要は無いのです。ましてや新しいプログラミング言語を習得するのは時間の無駄です。ITエンジニアとITコンサルタントは活躍する場が全く違います。

SEやプログラマはプロジェクトマネージャーのいうことを淡々とこなしていけばよいですが、ITコンサルタントはプロジェクトマネージャーを見つけてプロジェクトの立ち上げをするのがお仕事なので、スペシャリストレベルのITスキルなんていりません。

コンサルタントは経営者の参謀です。したがって、経営者と対等に会話できなければなりません。必要なのはITスキルよりも経営スキルです。経営感覚とそのスキルを持ち合わせていて、経営レベルの話が出来ることのほうが大切です。ITスキルはITエンジニアと会話が出来る程度のスキルを持ち合わせておけば良いので、必要以上にギークになる必要はありません。

経営スキルと経営感覚

経営スキルとは、挙げたらきりがないほどたくさん求められますが、例えば財務諸表を読む能力であったり会社の財務状況を把握する能力です。公認会計士や税理士、簿記1級の資格を取れば会社の財務状況を把握するスキルを身につけることは出来ます。

一方、経営感覚はコスパ意識のことです。現状の経費を下げるために、どれだけのイニシャルコストを費やすことが出来るのか?を感覚的に算出できる能力のことです。投資回収期間はどのていどなのか?を把握し、それなりの根拠に基づいて投資のYESやNOを助言します。

ITコンサルタントを名乗るのであれば、どちらも同じくらい重要です。が、どちらかを先に伸ばしていくのであれば、経営感覚を研ぎ澄まして行く方をおすすめします。経営スキルは範囲も膨大だし、身につけるにはコストがかかりすぎます。また極論を言うと、財務諸表を読む能力は会計士に任せればよいのです。大きい企業になれば専任の会計士くらいいるでしょうから、読み解く能力は会計士の力を借りれば良いのです。一緒に仕事をする機会があるのならば、色々と聞いてみると良いでしょう。先輩にプログラムを教わるのと全く同じ話です。

しかし、経営感覚は誰の力も借りることは出来ません。自分で感覚を身につけて、時間をかけて研ぎ澄ましていくしかないのです。小難しい言葉を使って、経営感覚の説明をしてきましたが、一言でいうと、損するか得するかを見極める能力です。その損得を直感で感じ取る能力です。もちろん、直感のみを頼りに最終的な判断をするのは、ただの博打になるので危険です。まずは直感であたりを付けて、仮説を立て、裏付けとなるデータを集めてから、経営陣を納得させていくわけですが、取っ掛かりとしては、経験や直感がものを言う世界です。それが経営感覚です。

経営感覚のレベルを高める方法

経営感覚を研ぎ澄ませていくには、まずは全てを数字に置き換えるクセを付ける必要があります。わかりやすい数字でいえばお金です。全てを金額換算することで、単位を統一化します。時間さえもお金に換算するのです。手っ取り早いところでは、まずは自分の収入を時給換算してみましょう。1日8時間勤務で毎月20労働日の場合、給料が40万ならば時給は2500円です。そんな感じで時間をお金に換算するのです。

次のステップでは、今勤務している会社の1人月がいくらなのかを把握することです。これは会社のブランド力によって単価が変わるのと同じで、会社によって金額が違いますが、例えば、1人月80万円だとすると、時給5000円ですね。その会社のSE原価は5000円となります。こんな感じで頭の中で遊んで行くのです。

会社が1人月80万円で仕事を受注して、社員に40万円の給料を払えば半分の40万円が会社の利益(計算上、福利厚生やボーナスは対象外)になります。などなど、自分の会社の儲けのカラクリを探してみたり、身近な数字を使って遊んでみて下さい。経営感覚を難しく捉えてはだめです。偉そうな先生が小難しい言葉を使ってるのかもしれませんが、極論暴論で言うと、損するのか、得するのかが、直感でわかれば良いのです。

色々と身近な数字を使って遊んでいると、その過程で用語の意味を知ることが出来たり、便利な公式に気がついたり出来るようになります。先に用語や公式から入っていくのは非効率な気がしています。ましてやITコンサルタントになるために簿記の勉強をする必要なんてありません。無駄とは言いませんが、とにかく経営感覚の方を研ぎ澄ませて下さい。まずはビジネスゲームのルールを知ること。これがITコンサルタントの必要スキルなのです。

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