転職すべきか、留まるべきかの判断基準

処世術 転職

転職するのは勇気がいることだと思います。転職先の企業文化が分からないなど、理由は様々だと思いますが、今回は転職すべきか、留まるべきかの判断基準について、ぼくの経験をもとに紹介していきたいと思います。あくまでも年収アップを目的とした転職の話です。夢を追いかけたり、ロールを変える意味での転職は、今回の記事では対象外とします。

金額換算するしかない

結局のところ、転職前と転職後とを比較するには、その全てを金額換算してやるしかありません。まずは転職前の年収と転職後の年収の比較です。転職前の年収は、年末調整を見れば一発でわかるので単純なのですが、転職後の年収に関しては、転職する前の段階では確認する術がありません。

超単純な式ですが、 転職後年収 > 転職前年収 

ならば、転職する価値があります。転職前と後とでは、仕事内容や責任が変わらないことが前提となりますが、前職より年収が増えるので、とりあえずは転職する価値があります。ただし、気をつけないといけないのは、年収だけで判断するのはちょっと危険です。例えば、転職先の労働環境が、隔週土曜日は出勤日があるなど、労働時間が揃っていない可能性があるからです。そういう場合は「転職前」の、いわゆる現在の収入を時給換算してやります。

現在の年収が600万円で、年間125日休みがあり、1日8時間労働をした場合、

365日ー125日=240日 ←労働日

600万円÷240日労働=25000円 ←日給

25000円÷8時間=3125円 ←時給

この例では、時給3125円となります。

もし転職後の年収が650万円に増えたとします。しかし隔週土曜日出勤などで休暇が少なく、年間95日休暇の1日8時間労働だとした場合、

365日ー95日=270日 ←労働日

650万円÷270日労働=24000円 ←日給(端数切り捨て)

24000円÷8時間=3000円 ←時給

この例では、時給3000円となります。

年収は50万円増えますが、労働時間が大幅に増えてしまったため、時給は下がってしまいます。これでは、年収アップの転職に成功したとは言えません。現在の時給で換算しますと、年収675万円ないと割りに合わないわけです。

また、もう一つ別の注意点として、残業代込みなどのみなし労働時間制には注意が必要です。毎月20時間とか45時間とかの残業時間込みの年収の場合もありますので、こちらもそれぞれを考慮した上で、時給換算にしておく必要があります。

通勤時間も考慮せよ

まだまだ考慮しないといけない項目はあります。通勤時間もその一つです。通勤時間は拘束される時間にもかかわらず、その時間分の給料がもらえるわけではありません。したがって、時給換算する際に、往復の通勤時間も考慮する必要があります。

上記の例と同じく、現在の年収が600万円で、年間125日休みがあり、1日8時間労働をした場合、さらに付け加えて、通勤時間が片道1時間かかる場合、8時間勤務に往復通勤時間の2時間を加えた10時間が1日の拘束時間となります。残業なしでも10時間拘束されるので、以下の計算式が成り立ちます。

365日ー125日=240日 ←労働日

600万円÷240日労働=25000円 ←日給

25000円÷10時間=2500円 ←正味時給

この例では、正味時給2500円となります。

もし転職後の年収が600万円で、年間125日休みがあり、1日8時間労働と、転職前と全く同じ条件だったとして、通勤時間が片道2時間かかったとしましょう。8時間勤務に往復通勤時間の4時間を加えた12時間が1日の労働時間となります。

365日ー125日=240日 ←労働日

600万円÷240日労働=25000円 ←日給

25000円÷12時間=2083円 ←正味時給(端数切り捨て)

この例では、正味時給2083円となります。

転職前と全く同じ条件であったとしても、通勤時間が2倍になったことで、時給が下がってしまいます。

この様に、拘束時間を徹底的に時給換算し、転職前の現状よりも好転するのか否かを判断してやる必要があります。1日の労働時間が7時間の会社もありますので、こういった会社は時給ベースが上がります。また今後は在宅ワークも増えてくると思います。転職先では100%在宅ワーク推奨していた場合、通勤時間が無くなり、その分拘束時間が減りますので、時給ベースが上がります。こういった細かい数字まで全て拾って行くのです。

全ての拘束時間を算出し、年収で割ると時給が出てきます。年収で比較するのではなくて、算出された時給で比較するのが、正しい比較方法です。

企業文化なんて分からない

ここまで、単純な金額計算で比較してきましたが、転職に関する不安は他にもたくさんあります。例えば、転職先の企業文化に馴染めるか否か、この問題は重要な問題です。しかし、この問題はどんなに悩んだところで、答えは出ません。現在その会社で働いている人と話すことが出来たり、口コミサイトで情報収集することで、多少の感覚を仕入れることは可能ですが、自分に馴染むかどうかまでは、分かりようがないのです。

従って、転職すべきか留まるべきかの判断基準としては、現在の時給を算出した上で、その時給よりも上であれば転職を検討すべきで、下であれば転職は見送るべき、と判断できます。念の為に、もう一度伝えておきますが、今回の記事は、あくまでも年収アップを前提とした転職判断の話です。時給ベースが下がってでも転職をしたい場合もあると思いますし、その転職が全てダメだと言っているわけではありません。ただ、安易に年収で判断するのではなくて、きちんと時給換算して判断しないと、年収は増えたのに労働条件が悪化したという事態に陥らないように注意する必要があるのです。

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