特別な存在ではなかった
転職初日。入社してはじめて現場に配属されるわけですが、おそらく多くの転職者が初日に面食らうと思います。転職してきた本人にとっては特別な日であっても、来られた方としては大した変化はありません。入社するまでの間、ずっと窓口になってくれていた人事担当の方は愛想よく接してくれていたかもしれませんが、基本的に現場はそっけない感じだと思います。
もちろん現場の人間が悪いわけではありません。人事担当は人事のプロなので、転職者の扱いにも慣れたものです。場合によっては転職市場から見つけ出し、自社に来てもらうまでが仕事なので転職者を丁重に扱ってくれます。しかし、現場はそんなことは関係ありません。逆に少し警戒している可能性すらあります。とりあえずは、入社してから自分は特別な存在ではなかったと気づくよりも、入社前から知っておくと面食らわずに済むかと思います。
とにかくギャップだらけ
新しい会社に入ったら、多くのギャップに悩まされると思います。例えば入社後の手続き一つとっても、前職と全く異なると思います。ぼくの場合、一部上場企業から外資に転職した経験があるのですが、前職では入社手続きは驚くほど楽でした。なぜならば、総務部がほとんど対応してくれたからです。ぼくは必要書類に署名するだけで終わりました。社内便で送って終了です。
一方、転職先は外資です。良くも悪くも実力社会で、書類一つとっても自分でやる必要があります。当たり前と言えば当たり前なのですが、前職では総務部に甘えきっていた事を実感しました。
他にも社員の呼び名にも会社ごとに文化があります。日本企業は役職で呼ぶことが多い気がします。〇〇課長とか☓☓部長などと呼んだりします。一方外資系に多いのが、さん付けです。課長であっても〇〇さん、部長であっても☓☓さんと呼ぶわけです。もちろん、その会社の企業文化に沿うのが正解です。前職では役職で呼んでいたからといって、さん付け文化の会社で役職で呼ぶのは気持ち悪がられますし、反対に役職で呼ぶ会社にさん付けで呼んでしまうと、失礼だと指摘される可能性もあります。
入社後数日は、とにかく小さいギャップが気になるかと思いますが、その会社に飛び込んできた訳ですから、会社文化に合わせる必要があります。自分の生き方を貫くのも悪いとは言いませんが、何一つ得しないから止めたほうが良いです。自分の生き方を貫くならば、仕事でアピールしてください。
まさにゼロからのスタートを意識すこと
転職したら、新しい会社での実績はゼロです。したがって信用もゼロです。人間としての信用ではなくて、仕事での信用の話です。信用があれば、人に仕事を頼みやすかったり、簡単に情報が入手出来たりするわけですが、その土台が全く無い世界からスタートするのを意識しておく必要があります。
信頼がない相手には大きなことは任せられないので、最初は小さいことから任されると思います。もしかするとそれは、新入社員がやるような簡単なお遣いレベルの仕事かもしれませんが、任された仕事を全力でこなすことです。小さな信用を稼ぐ以外に信用を積み重ねる方法なんてありません。前職で積み重ねてきた信用はなんの役にも立たないことだけは強く認識しておいてください。また、その信用が自分の仕事を手助けしてくれていたことを強く実感すると思います。
しがらみがないからこそいける?とにかく最初が肝心
信用が無い点はデメリットですが、反対に前職での付き合いが無いことが良い方に働く事もあります。しがらみがないからこそ、新しい自分に生まれ変わる事も可能です。転職には、なりたい自分になれるチャンスがあるのです。そのメリットを最大限に活かせるのが、入社後の1週間となります。1週間経過後にキャラ変更は無理だと思います。転職者は、予想以上に観られています。話しかけられなかったとしても、想像以上にチェックされています。そしてそのチェックは1週間もあれば完全に終了しています。ようするに、スタートダッシュを決めるのであれば、最初の1週間で全てが決まるので、入社する前から、戦略と入念な準備をしておくことだけは覚えておいてください。
転職後1週間の心得
前職ではすごい実績を持っていて、人事担当者に褒め称えられて意気揚々と入社したとしても、新しい会社では新参者です。まかり間違っても、威張ったり上から目線になっては行けません。幹部採用だとしても調子に乗ってはいけません。その瞬間、新しい会社人生は詰みます。スカウトやオファーを受けての入社や、上場企業からベンチャー企業などの、社格が下の会社に行くときは特に注意が必要です。自分に自信を持つことは良いのですが、謙虚さを失うと待っているのは転落だけです。特に転職直後は、なんの信用も実績も無い新参者であることを肝に銘じておきましょう。もちろん、自信をもって堂々と振る舞うのは一向に構いませんよ。謙虚であることとは別次元の話なので。
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