相変わらず転職市場は非常に盛り上がっていますが、現状は二極化していると言えます。
転職に成功する人と転職に失敗する人です。
転職に成功の定義は、単に転職することが出来たかどうかだけではなくて、転職先で活躍できる、または転職してよかったと思える転職を指します。転職に失敗する人の定義は、採用面接で何回も落とされ、いつまで経っても転職できなかったり、転職出来たとしても、転職したことを後悔するようなケースは失敗と言えます。
今回は転職に成功する人と、転職に失敗する人の違いに着目し、転職を成功させる人はどういうマインドなのかをおさらいしたいと思います。
転職理由が明確
当たり前といえば当たり前なのですが、転職に成功する人は転職理由が明確です。転職がなかなか成功しない人は、動機がぶれているように思います。ただ単に「いまの会社を辞めたい」程度の理由では、転職理由が明確とは言えません。
年収アップが理由であったり、キャリアアップが理由であったりと、ポジティブな理由じゃないとダメというわけではありませんが、やはりポジティブ転職のほうが成功はしやすいです。ネガティブ転職でも、ワークライフバランスが目的であったり、人間関係が窮屈なので新しい会社でいちからやり直したいというのも正当な理由だと思います。
ただしネガティブ理由の転職の場合、転職した先でも同じ悩みにぶち当たる可能性は残っています。少なくとも「会社を辞めたい」という程度の理由では確実に失敗します。人間関係の調整も出来ることはやり尽くしたうえで、新しいところで再出発したいというなら、転職理由が明確なので成功率は上がります。
参考までに転職理由の一例を上げます。
・年収アップ
・キャリアアップ
・キャリアチェンジ(夢の実現など)
・ワークライフバランス
・Uターン、Iターン(親の介護、地方永住など)
・人間関係をリセットしたい(ただしポジティブに変換しよう)
在職中に転職活動をする
転職の成功率を上げるのに欠かせないのが、在職中の転職活動です。勢いに身を任せて退職した後の就職活動は9割以上失敗します。ぼくの最初の転職がそのパターンでした。もちろん失敗のケースです。
退職後の就職活動が失敗する理由は2つあります。
・理由が明確ではない
上記と重複しますが、いまの会社を辞めたいという思いが強すぎて、転職理由が明確では無いのです。それがそのまま行動に現れて、まず会社を退職する。そこで目的を達成してしまったので、再就職するのにもう一度エンジンを書け直す必要があるわけです。ハングリー精神も乏しく、どうしても転職成功率は下がります。
・時間的猶予がない
2つ目の理由として、時間的な猶予が無い点があります。在職中の転職活動は、休日か平日の夜間くらいしか活動は出来ませんが、転職活動にタイムリミットがありません。日中は働いているので収入には困りません。
会社を辞めてから転職活動をするということは無収入期間中の活動となるので、貯金を切り崩すしかありません。貯金が底を尽きたらタイムオーバーになるし、実際は貯金が減り続けることは相当なストレスなので、早く決着をつけたい心理が働きます。そうなると、どうしても納得のいく転職が出来る確率は下がります。ぼくみたいにブラック企業に再就職という可能性が高まるのです。
以上の理由から、転職活動は必ず在職中に行ってください。大切な人生を運任せにしてはいけません。かなり高い確率で失敗します。ぼくがやらかしたので間違いないです。
事前調査は入念に
転職活動をするなら、事前調査は大切です。希望先の企業の事がわからないのに転職面接に挑んでも勝算はありません。そもそも希望先の企業の調査をする前に、自分のことを知る必要があります。いわゆる自己分析です。まず自己分析をしっかり行い、続いて希望先の企業の調査をしっかり行うことで、転職の成功確率が高まります。
・自己分析
転職において自己分析はとても大切です。というか、自己分析もせずに転職成功はありえません。具体的には職務経歴書を書き上げることです。職務経歴書とは転職を決断したあとで慌てて記入するのではなくて、転職を決断する前から常にメンテナンスしておくものです。毎月メンテンナンスする必要はありませんが、少なくとも1つのプロジェクトを終えたらメンテナンスしたほうが良いです。時間が空くと情報の鮮度が落ちるので、せっかくの経験が鈍ります。
また、面接では必ずといっていいほど、強みとか弱みを聞かれるので、面接の準備にもなります。いずれにせよ、自分のことも分析しないのは、転職活動以前の社会人としての資質の問題ですので、きちんと自己分析をしてから転職活動に望みましょう。
・企業のニーズを調査
転職希望先の企業情報を知ることができれば、転職活動はぐっと有利に働きます。しかし現実問題としてなかなか難しいところです。上場企業であればホームページからある程度情報は仕入れることが出来ますが、しかし本当に知りたい情報はホームページに載っている情報ではありません。極論をいうとどういう人材を求めているのかを知ることができれば攻略の糸口は見えてきます。そんな情報を共有してくれるのは、転職エージェントくらいしか思いつきません。転職エージェントは企業と求職者の架け橋的な人材なので、企業の内情にも相当詳しいです。マッチングビジネスで生計を立てているので素直にプロに任せるのが吉です。
とはいえ、転職エージェントにはお世話になりたくない人もいるかと思います。そういう場合は、企業の口コミサイトを参考に分析していくやり方もあります。もちろん転職エージェントが共有してくれる情報と比較すると足元にも及びませんが、中にいた人のリアルな口コミが書かれているので、丸腰で挑むよりは調べる価値はあるかと思います。
自己分析と企業のニーズを上手くすり合わせて、職務経歴書を仕上げたり、面接の準備をしておけば、自ずと合格確率は高まります。事前準備は時間がかかるので、やはり在職中に少しずつ行動しておくのがおすすめです。
複数社応募する
転職をすると決めたら、一気に行動する必要があります。そのためには複数社に応募することです。一社ずつ応募していたら時間がかかりすぎます。最終選考でNGだった場合、応募から1ヶ月近く経過しているケースもあります。事前準備からカウントすると、2ヶ月近く浪費してしまうケースもあります。
そういうロスを防ぐためにも、複数社に同時に応募する方が効率が良いです。企業側も求職者が複数社同時応募していることは、ある程度把握しています。もはや複数社応募はスタンダードですので、気にせず効率を求めて行きましょう。希望する転職先がピンポイントで決まっているのであれば、その限りではありません。特定の会社以外全く興味が無いとかの明確な理由があるのであれば、複数社同時応募はしなくてもよいです。例えば転職の目的が年収アップの場合、年収が上がりさえすれば、どこの企業でも良いと思うのなら、ガンガン応募したほうが効率がいいよ。と言いたいのです。
複数の就職チャネルを活用する
こちらも複数企業へ応募と同じ考え方で、複数のアプローチで転職活動を進めると成功確率は高まります。企業へ直接応募するだけではなくて、複数の転職サイトに登録したり、複数の転職エージェントを活用するなど、チャネルが複数になれば、入手できる情報も増えますので、より多くの選択肢の中から自分にあった企業へ応募することが出来ます。
また、多くのアプローチをしておくことで、企業の方からのオファーも期待できます。オファーの来る量はエンジニアとしての市場価値と比例しますが、待ちの転職活動が出来るのは、在職中にはありがたい話です。また転職エージェントからスカウトされるケースもあります。転職エージェントは仲介業者なのでスカウトしてくれた転職エージェントに、転職活動を丸投げすることも可能です。
複数の転職エージェントと同時にやり取りしては行けないルールはないし、転職サイトも複数登録するべきです。有給が取れるようであれば、ハローワークで検索するのも良いと思います。特に地元にこだわりが強ければ、ハローワークは協力なチャネルです。自分一人の力では限界があるので、複数チャネル活用するのが成功確率を高めます。
譲れない条件を伝える
転職を決意した訳ですから、現職にはなくて、転職先には期待する何かがあるはずです。それが年収なのか、ワークライフバランスなのかは人それぞれですが、必ず譲れない条件があるはずです。その譲れない条件をきちんと伝えておく必要があります。もしここで妥協してしまうと、転職の目的が達成出来ない可能性があります。
例えば、年収アップが目的だったのに、面接の場の空気に飲まれて、「年収はいくらでも構いません」って言ってみたり、ワークライフバランスが目的だったのに、「いくらでも残業可能です」って言ってしまうなど、目的が「採用してもらうこと」に変わってしまっています。笑い話のような話ですが、実際面接の場に飲まれると、言いたいことが言えなくなるケースがあります。なので事前に紙に記述しておいて、譲れない条件を明確にしておくと、面接の時に慌てなくても済みます。
妥協点を決めておく
一方的に譲れない条件だけを決めておくだけでは、交渉ごとは上手くいくとは限りません。絶対に譲れない条件は、譲ってまで内定を勝ち取る必要はありませんが、その他の条件ならば、希望のポイント以外に妥協点を決めておくと慌てずに済みます。
例えば、絶対に譲れない条件として「残業は10時間/月」とし、年収は現状より上がれば尚良い。という条件を自分の中で設定したとしましょう。残業が30時間/月とかは明確に断れば良いですが、年収に関しては現状維持までは妥協する。といった形で落としどころを事前に決めておくと良いです。面接の場は企業が上手で求職者が下手ではありません。五分と五分の交渉ごとです。毅然とした姿勢で交渉しなければ、転職先でもいまと変わらない境遇になってしまい、なんのための転職だったのかを見失ってしまいます。転職成功者は交渉力も高いので、自分の交渉力に自信がなければ、転職エージェントを活用するのも良い選択だと思います。
まとめ
・転職理由が明確
・在職中に転職活動をする
・事前調査は入念に
・複数社応募する
・複数の就職チャネルを活用する
・譲れない条件を伝える
・妥協点を決めておく
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