「職務経歴書」って転職するときだけ書くものだと思ってませんか?その考えは間違ってます。じつは、「職務経歴書」は常にメンテナンスしておくべきなんです。その理由を5つにまとめてみました。
自分の仕事を振り返ることが出来る
「職務経歴書」とは、自身の職務経歴を文字情報にしたものです。「職務経歴書」を書くこと以外に、自分の職務経歴を文字情報に変換する機会をぼくは知りません。人生のほとんどを仕事で費やすのに、多くの人はその記録を残していないのです。これって、とてももったいないことですね。経歴を記録として残すどころか、仕事の振り返りすらしていないのが現実だと思います。
仕事を振り返ることで、反省点や改善点が見えてきます。思いついたことは書くべきです。「職務経歴書」は基本的にはフリーフォーマットなので、何を書いても自由です。反省点や気づきもガンガン書くべきです。本当に転職で使うことがある場合は、「職務経歴書」を複写して見せたくない部分を後で削れば良いのです。「職務経歴書」は自分のために残すという意識が重要です。
振り返るタイミングはプロジェクト終了のタイミングとか、落ち着いた時で構いませんが、定期的に「職務経歴書」をメンテナンスすることで、次のプロジェクトに活用するのが真の狙いです。日常に忙殺されるとアウトプットする機会がないので、なれないうちは自分の職務経歴を書くのにも手が止まるはずです。何を書いたらいいのかすらわからなくなります。ですが、少しずつでも書き溜めておけば、徐々にアウトプットにも慣れてきて、それなりの出来に仕上がるはずです。
自分の仕事を振り返る機会を創出するだけではなくて、アウトプットしていく習慣も見につくので、それだけでも「職務経歴書」を書くメリットがあります。
市場価値を意識することが出来る
「職務経歴書」を書き始める時、まず最初にネットで情報収集をすると思います。フリーフォーマットとはいえ、自分に合う雛形を探しにいったり、どういうレベル感で記述していけばよいのか分からないので、ネットで調べまくると思います。
この、調べるという行為が重要です。「職務経歴書」の書き方を調べていくうちに、どういった内容が書けるのか?とか、どういった内容が評価されるのか?など、徐々に市場価値がみえてきます。「職務経歴書」を通じて、自分と市場の接点を設けることが出来る点は、「職務経歴書」を書く大きなメリットと言えます。
日々会社の業務に忙殺されてしまうと、自分を客観視できなくなってしまいます。比較する相手が会社の同僚とばかりだと、例え自分がその中で一番やり手だったとしても、市場では価値の低いスキルだと評価されません。反対に、同僚から遅れをとっていたとしても、そのスキルそのものに希少価値のあるスキルの場合、市場から評価されることだってあります。「職務経歴書」を書くことで自分を客観視出来る点は、自身の価値を高めるのに必要なことだと思います。
自分の強みを把握出来る
「職務経歴書」を書き、市場価値を意識していくと、徐々に自分の強みが浮かび上がってきます。自分が何に一番時間を割いてきたのか?にヒントがあります。必ずしも好きな事では無いかもしれません。もっというとITスキルでは無いかもしれません。
ぼくの知り合いに工業高校出身のSEがいました。工業簿記2級を取得しているのですが、ITにはなんの関係も無いことを嘆いていて、いちから「基本情報技術者試験」の勉強を頑張っていました。「基本情報技術者試験」を頑張るのは全くもって良いことなのですが、それより衝撃的だったのは工業簿記2級をないがしろにしていることです。
工業簿記2級といえば、原価計算を理解していないと取得できません。工業簿記2級を取得しているSEはなかなかいないので、製造業の現場ではかなり重宝されます。製造管理部のリーダークラスと業務的な会話が出来るはずなのですが、彼は自分の希少さを理解していませんでした。
もちろん彼自身の価値の高さを教えてあげましたが、もし彼が、「職務経歴書」を書き、市場価値を意識していら、自分で自分の強みを把握できてたはずです。
足りないスキルを身につける意識が出来る
反対に、足りないスキルを身につける意識をすることも出来ます。自身の職務経歴に彩りを感じなければ、どうやったら光る実績を書けるか?と考え、それに向けて行動することも可能です。
例えば、プロジェクトマネージメント系の職種は年収も高いので、自分の「職務経歴書」にも書くことができれば、市場価値を高めることが出来るのになぁ。と考えただけでも大きな一歩です。その思いを現実のものにしてしまえば良いのです。
いきなりプロジェクトマネージャーは難しくても、サブをやったり、マネージャーを補佐したり、意識的にプロジェクトマネジメントに絡むことは誰にでも出来ます。その行動履歴も「職務経歴書」に記述するのです。
また、先の例の工業簿記2級取得のSEは、異動希望がすんなり認められ、製造業の開発チームに配置転換されました。現在の彼の「職務経歴書」は、工業簿記2級の資格と、製造業の職務経験がキラキラと光っているはずです。足りない経験に気づき、職務経歴書を彩りを与えるべく実現に向けて行動することで、市場価値を高めることに成功した良い例だと思います。
すぐに転職に動き出すことが出来る
最後のメリットとして挙げるのは、いつでも転職に動き出すことが出来る点です。頻繁に「職務経歴書」をメンテナンスしてるわけですからね。思い立った時にすぐに行動に移せます。「職務経歴書」さえあれば、複数の転職サイトに登録も出来るし、転職エージェントと会話することだって出来ます。転職する気はなくても、登録さえしておけば向こうから話は来ます。興味がなければ放っておけば良いし、興味持てば返信してみるのも良いと思います。要するに選択肢が増えるのです。
また、「職務経歴書」を頻繁にメンテナンスしておくと、頭にも残っているはずなので、それがそのまま、面接でも活かされます。提出用に「職務経歴書」から削った、反省点や気づきも、面接の場ではガンガン伝えるべきです。それが出来るのも、普段から「職務経歴書」を書き続けていたからに他なりません。
必ず転職する必要はありませんが、いつでも転職出来る心構えは重要だと思います。リスクヘッジにもなるし、目の前にチャンスがぶら下がった時に、瞬時に掴み取ることだって出来ます。転職ではそういっためぐり合わせというか、瞬発力は重要になってくるので、少なくとも「職務経歴書」は常に最新にしておくことは大切です。
一度書いてしまうと、あとは定期的にメンテナンスするだけなので、そこまで手間はかかりません。さぁ、いますぐ「職務経歴書」を書きましょう。
まとめ
・自分の仕事を振り返ることが出来る
・市場価値を意識することが出来る
・自分の強みを把握出来る
・足りないスキルを身につける意識が出来る
・すぐに転職に動き出すことが出来る
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